3年ほど前に、電気自動車(EV)は本当に地球温暖化抑制に寄与するのかについて疑念を呈した。いまだというのが定説となっている。ジャーナリズムも、ひと頃は脱炭素の救世主とあれほどもてはやしていたのに、ふらふら日和見で節操がない。 失速の理由は、最新技術や環境問題への関心が高い高所得者層の購入がひと段落したからとか言われている。しかし、真の理由は、地球温暖化抑制に寄与するという大義名分が崩れたからだ。電気自動車はもはや魅力的な宣伝文句にならないということ。 前にも書いたとおり、地球全体のエネルギー収支からすると、燃料電池を含む EV システムは最適解とは限らない。また、中国が車載電池の世界シェアで圧倒的優位に立っており、西側主要国にとってストレスになっている。 大義名分を失い、官の主導もなければ、損も覚悟で取り組む酔狂な企業は現れないだろう。